2024.04.04

202404_it-02


「金利上昇の可能性」については昨年来からさまざまな形で言及されています。これは、長期にわたる低金利政策からの脱却と、世界的なインフレの影響を受けているためです。日本銀行は、ここ10数年はマイナス金利政策やイールドカーブ・コントロール※4を用いて金利が低くなるようにコントロールしてきましたが、これらの政策には金融市場の調整機能の歪みや資産バブルのリスクなどの問題がありました。また金融機関の収益圧迫なども考慮されていて、昨年4月に就任した日銀総裁・植田和男氏は、これらの政策を正常化する役割を担っており、マイナス金利の解除は既定路線となっています。経済紙や専門家の間では、この4月にも何らかの動きがあることが予想されています。 金利上昇に関して、みずほリサーチ&テクノロジーズは2026年頃の住宅ローン金利が大幅に上昇すると予想しています。これは現在のインフレ率や株価が80年代後半から90年代前半の指標と相似してきており、仮にこうした指標に沿って金利も上昇していくなら、数年後には変動金利が4.0%、固定金利が4.8%になってもおかしくはない、という筋立てです(図表)。当時と現在では経済・社会環境が大きく違うため、経済指標だけでは多くは語れませんが、一つの見方としては参考になるかもしれません。 図表 マーケットおよび各種金利指標の想定