3年ぶりに開催!
全国一斉不動産無料相談会
公益社団法人 全日本不動産協会は、9月26日から10月6日にかけて、全国47都道府県の主要都市で不動産無料相談会を実施しました。2019年以来の開催となった今回は、一般消費者に身近に感じてもらえるよう、駅前広場や市・区役所、ショッピングモール内などの人通りのある場所を厳選してブースを設営。 秋空のもと、多くの人々が相談に訪れました。
全国84カ所で開催
今年の「全国一斉不動産無料相談会」は、北海道3カ所、東北9カ所、埼玉5カ所、東京16カ所、神奈川6カ所、茨城・栃木・群馬・千葉の4県で6カ所、中部エリア11カ所、近畿8カ所、中国5カ所、四国5カ所、九州・沖縄10カ所と、全国84会場で開催しました。
この無料相談事業は、公益事業として不動産知識の普及と安全な取引を推進することを目的としています。また、協会設立日である10月1日を「全日の日」とし、その前後に開催することで、多くの一般消費者に身近な相談場所として認知・利用してもらうことを目指しています。
以前は地方本部単位で無料相談会を開催していましたが、2018年からは国土交通省と各自治体の後援を受け、全国で一斉に実施しています。しかし2020・21年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となり、今年は3年ぶりの開催となりました。
無料相談会では、各地方本部に所属する宅地建物取引士に加え、弁護士や税理士、不動産鑑定士、建築士など、不動産取引の実務に携わっている資格者が、それぞれの相談に対応。まずは受付で相談の概要をヒアリングし、内容に合わせて専門家窓口に引き継ぎます。各会場では、居住支援等に関するパンフレットや協会オリジナルグッズなどを配布し、不動産関連情報や協会活動のPRにも取り組みました。
相続や借地の売買トラブルからタイムリーな話題まで、多岐にわたる相談内容
東京都多摩東エリアのコピス吉祥寺デッキ会場では、のぼりや看板、ポスターなどを設置したうえで、開始直後からティッシュ配りを実施。積極的なPR活動が功を奏し、早い時間から相談者が続々と訪れました。身を乗り出して熱心に質問し、メモを取りながら話を聞く真摯な姿が見られました。
もちろん相談員・相談者ともにマスクを着用し、会場の各テーブルには消毒液や透明のアクリル板が設置され、万全の感染防止対策をして行われました。
相談内容は、相続に関するものから遺言書の書き方、隣地との境界線トラブル、さらには「借地の売却を巡って裁判になってしまったがどうしたらいいのか」というものまで多岐にわたり、話し込む相談者もいました。
一方、井の頭線渋谷駅中央口改札付近に設営した会場では、私鉄改札口そばという立地から、開始前からたくさんの人が会場前を行き交っていました。のぼりを見て足を止める年配者や詳細な資料を用意して訪れるご夫婦、また、区報に掲載した告知を見て訪れる人などもみられました。
ここでの相談は、住宅ローンや税金関連をはじめ、「40年ほど前に協定を結んだ私道について、当時の人たちがいなくなった今でもその協定書は有効なのか」「地方の実家や山など、いらない不動産をどうしたらいいか」「国庫帰属法について教えてほしい」といった内容がありました。また、昨年起きた熱海市の土石流災害のニュースを受け、「所有している土地で同じような地滑りが起きないとも限らない。人に害を与える前になんとかしたい」といったタイムリーな話題もありました。
いずれの会場でも、相談者の話に真剣に耳を傾け、親身になってアドバイスする相談員の姿が印象的でした。
気軽で安心、頼れる全日をアピール
関西地区では、大阪府本部で3会場、滋賀県・京都府・奈良県・和歌山県・兵庫県本部で各1会場の計8会場で開催。
大阪府本部の大前久明子無料相談委員長は「相続や遺言、近隣トラブルなど中高年世代の相談が目立ち、その解決は喫緊の課題です。協会として各自治体と連携し、解決の一助となるようこれからも相談会を通して取り組んでいきたい」と意欲を示しました。
他方、キラリエ草津会場の滋賀県本部 伊藤靖本部長は「相談会は不動産に関する悩み事について、プロの専門家が解決方法をアドバイスするというもの。基本は“安心”と“信頼”。引き続き、相談者の立場に立った問題解決を目指していく」と話しました。その他、滋賀県本部では相談会当日、JR草津駅前において、青年部と草津警察署の連携による「特殊詐欺撲滅キャンペーン」が行われ、青年部会員らがチラシ配りをして特殊詐欺被害への注意を呼びかけました。
全日が一丸となって取り組み、意義ある相談会となりました。