理事長就任のご挨拶
~理事長就任の決意~


秋山 始

公益社団法人 全日本不動産協会
公益社団法人 不動産保証協会
理事長

秋山 始

この度、全日第36期および保証第25期の理事長に加え、TRAおよび日政連の会長職を拝命いたしました。

振り返りますと、平成17年に全日総本部の理事を拝命して以来、今期で17年目を迎えることとなりました。この間、平成24年に前任者の急逝によりまして、神奈川県本部長を仰せつかったのち、保証の総務委員長を1期、全日の専務理事を3期と、計8年にわたり会務運営会議の一員として協会運営の一翼を担って参りました。

皆様ご存知のとおり、近年においては、わずか1年の間に1,000社以上の会員増加を実現するなど、我が全日の組織拡大は非常に目覚ましいものがございます。

こうした組織の拡充と同時に、歯止めのきかない人口減少社会という現実を見据えて、将来にわたり健全で力強い財務体質を得るための改革も続けて参りました。

改革のためには、ある部分で痛みを伴うこともあるかと存じますが、会の発展のために必要なことは迅速果断に実行する、一方で、長く続けられて来たことであっても、会にとって、すなわち会員にとって必要でないことは、敢然と見極めていくという、是々非々の姿勢で取り組んでいかなければなりません。

こうした改革の取組み、あるいはそうした姿勢は、決して一過性のものとすることなく、この先も常に持ち続けるべきことだと考えております。

では、私が理事長となった暁に何が変わるのか?

おそらく私は、役員皆様の中でも最年長の部類に属するものと思います。「年の功」と言えば、おこがましいかもしれませんが、虚心坦懐に全国の様々な地域的背景を持つ役員の皆様、一人ひとりの声に耳を傾けること。そして、その先にある会員1社1社の求めるものが何であるか、常に思いを巡らすこと。それが私に与えられた使命だと考えております。

ところで、私は、日ごろ神奈川県本部の会員各位に向けて、「会員の心得」として5つのことを励行していただくようお願いしております。

第一に【公正】…公正・誠実な業務遂行を責務とす。
第二に【品位】…専門家としての品位と見識の保持に努める。
第三に【規律】…法令遵守、反社会的勢力、違法行為の排除。
第四に【信頼】…公正・品位・規律の3項をもって社会全般、消費者等から業界への信頼を保持する。
そして最後に【感謝】…謙虚な心で、人や物すべてに感謝を。

人がしっかりと充実すれば、必ず組織は実ります。

会員1社1社もそうですし、職員の皆様、つまり事務局組織にも大いに当てはまるところです。そのためには、まずもって私自身が克己の心でこの5つの心得を体現しなければなりません。

我が全日本不動産協会は、多士済済、全国に素晴らしい力を携えた多くの有能な人材に溢れています。皆様のお力添えを得て、必ずや組織を発展・進化させます。

私がかつてサラリーマン時代に属した組織では、「何々したいと思います」とか「何々しようと思います」は絶対的な禁句とされていました。

それはなぜか?すなわち「思う」だけなら誰でもできる。「思う」だけでは何も始まらない。

目的に向かって自ら動き、歩みを進めること、そして強い信念をもってやり遂げること、それこそがリーダーに求められる資質の最たるものです。

今、私が目指すのは、この歴史ある全日本不動産協会をさらなる高みへと導き、3万3,000有余の会員に誇りをもって日々の仕事に励んでいただくこと、それにより「全日ブランド」をより一層発揚させて、社会から多くの信頼を得ることです。

全国の仲間と力を合わせて、まさにこの目的を実現する、ただそのためにこそ、私は今、この場に立っております。

冒頭申し上げましたとおり、長きにわたり理事を務めて参りましたが、この1期2年が私にとって最後の奉公となります。

余すことなく、持ち得る限りの力を尽くす所存ですので、どうか皆様の厚いご支援を賜りたく、謹んでお願いを申し上げます。