Vol.12 コロナ禍でもポータルサイトからの面談率を高める方法


Question

この1年、コロナの影響もあるのか、ポータルサイトからの面談率が落ちてしまいました。このままでは費用対効果が悪くなってしまいます。面談率を上げるために、どのような対策をすればよいでしょうか?

Answer

オンライン対応なども一部効果はありますが、それ以上に、電話反響時・資料請求時の電話対応を行ううえで「7つのポイント」を整備することが成果につながります。これを以下に解説しましたので参考にしてください。

ポータルサイト反響からの目標面談率は、【1】電話反響・来場予約反響の場合70%、【2】資料請求反響の場合50%を目安にしてください(図表1)。まずはこれらの目標値を上回っているかどうか確認しましょう。この目標値を下回っている場合は「電話対応」を優先課題とし、次の7つのポイントをもとに整備していくことをお勧めします。

図表1

【ポータルサイトからの面談率 指標】

現在、オンライン対応やメール追客システム、マーケティングオートメーションなど、面談率を上げるツールはいくつかありますが、現時点では面談(案内)アポイントにつながるケースの多くは「電話」によるものです。まずは電話対応で目標値に近い水準までもっていき、それを超える際に次の面談率を上げるツールを活用することが、望ましいステップです。

では、目標面談率が50%である【2】資料請求反響時をベースにした電話対応の7つのポイントについて解説していきます(図表2)。

図表2

【反響時の電話対応 7つのポイント】

① まず、内覧希望かを確認
② 問合せ物件のPRポイントを説明
③ 問合せ物件への問合せ数や内覧状況の伝達
④ 他物件も来店で紹介できることの説明
⑤ 来店時に資金計画ができることの伝達
⑥ 仮予約の設定と理由の説明
⑦ アポ確定後の契約に向けた本格的なヒアリングの実施

①まず最初に「内覧希望かどうか」を確認する

資料請求時であっても、その一部には内覧希望のお客様も含まれています。最初にお客様の希望を確認することで、「内覧希望」もしくは「内覧してもいい」と考えているお客様には、この時点で案内のアポイントを取ります。

②「まずは資料を見たい」というお客様へは問合せ物件のPRポイントを説明する

「ちょっと気になる」という状態から、電話で物件内容の説明を聞くことで「やっぱり現地を内覧したい」という気持ちになってもらうようにお話します。

この際に、内覧したほうがしっかり確認してもらえる日当たりや収納の大きさ、また、中古物件の場合は過去のリフォーム状況を伝えると、「現地で見たほうがいい」と判断してもらいやすくなります。

③他のお客様からの問合せ数や内覧状況・予定を伝え、早めの内覧を勧める

問合せ物件に対して、自社だけではなく、他社も含めてお客様から問合せが何件入っているか、また近々内覧予約が何件入っているかを伝えます。

そうすることで、「少しでも気になっている物件であれば、早めに見学したほうがよさそうだ」と、お客様に実感してもらえます。

④お客様が探している状況や希望条件、ほかに気になっている物件を改めてヒアリングし、地域の全物件から紹介できることを伝える

②③を伝えても内覧予約にならないお客様に対しては、改めてヒアリングを行います。お客様の希望条件や動きがわかった段階で、問合せ物件だけではなく、希望エリアの数多くの物件から条件を検索し紹介できることを伝え、来店を促していきます。

社内の物件検索システムやレインズを活用して、駅や価格帯、広さで絞り込んで1件1件確認し、その場で案内することで、問合せ物件だけではなく、物件探しのパートナーとしてサポートできることを伝えると、面談につながりやすくなります。

⑤資金面のヒアリングを行い、来店時に資金計画ができることを伝える

上記④と併せて、住宅ローンを活用する予定かどうか、住宅ローンを活用する場合は借入可能金額を確認できているかどうかをヒアリングします。住宅ローン審査の重要性を説明するとともに、来店時に資金計画もできることを伝え、来店を勧めます。

⑥日程が確定できないお客様に対して仮予約を行う

お客様の中には「家族の予定がわからない」「仕事の予定が確定していない」などの理由で、その場ですぐに日時を決めることができない方もいます。その際は仮予約日時を決め、後日こちらから連絡するようにしますが、既存の物件見学の場合は売主の予定もあるため、予約の必要があることを伝えます。そうすると、お客様にも理解してもらえ、アポイントのキャンセル率が減少していきます。

⑦アポイント確定後、契約に向けたヒアリングを本格的に行う

顧客対応は面談率を上げることが目的ではなく、契約を行うことが目的です。そのため、アポイントが確定したら、改めてヒアリング不足となっているお客様の希望条件、動機、内覧した経験の有無、過去内覧した物件と決定しなかったポイントを聞き、当日の接客に活かしていきます。

このように7つのポイントを踏まえて電話対応を行っていくと、3カ月程度で面談率は向上していきます。反響対応に課題を感じている場合は、上記を実践していただければと思います。

ポイント

  • ポータルサイトからの面談率に課題がある場合は、まずは「電話対応」を再整備する。
  • 電話対応については、①~⑦のポイントを踏まえて実践する。

松田 崇

株式会社船井総合研究所
マネージング・ディレクター

松田 崇

不動産売買、分譲会社のコンサルティング実績を持つ。中古+リフォームビジネス研究会、不動産売却ビジネス研究会、空き家再生ビジネス研究会、分譲住宅ビジネス研究会を通じ、集客・営業力向上や媒介取得強化、中古再販、分譲事業強化等に注力する。