宅建士講座
2021.10.14
宅建士試験合格のコツ

Vol.31 法令上の制限
~都市計画の決定(都市計画法)~


都市計画の決定とは、具体的な都市計画の中身を決めることです。だれが、どういう手続きで都市計画を決定するかということが問題になります。本試験での出題頻度はあまり高くなく、学習が手薄になりがちですが、出題されてあわてないため、一度はしっかりとチェックしておきたいところです。

都市計画法

1. 都市計画の決定権者

都市計画は、原則として、都道府県か市町村が定めます。都道府県と市町村のどちらが定めるかは、都市計画の種類によって決まっています。以下に出題可能性が高いものを掲げておきます。

都道府県が定める都市計画市町村が定める都市計画
区域区分区域区分
①大規模な風致地区
②都市再生特別地区
③大規模な特別緑地保全地区
①小規模な風致地区
②特別用途地区
③特定用途制限地域
④高度地区
⑤高度利用地区
⑥小規模な特別緑地保全地区
広域的・根幹的都市施設その他の都市施設
地区計画等

こうした区別をすべての都市計画について覚えることは無理なので、区別の基本的な考え方を理解しておきましょう。都道府県と市町村を比べれば、都道府県のほうが大きくて市町村のほうが小さいですね。都市計画もそれと同じです。要するに、大きな都市計画は都道府県、小さな都市計画は市町村なのです。

なお、都道府県の定めた都市計画と市町村が定めた都市計画が内容的に抵触する場合は、常に都道府県が定めた都市計画が優先します。「常に」という表現で示されているように、これには例外がありません。

2. 都市計画の決定手続き

都市計画の決定は、次のような手順で行われます。都道府県が決定する場合と市町村が決定する場合とでの違いに注意しつつ、大まかな流れを把握しておいてください。

  • 都道府県が決定する場合
  • 都道府県が決定する場合

    ※国土交通大臣への協議・同意は、国の利害に重大な関係がある等、一定の場合に限る。

  • 市町村が決定する場合
  • 市区町村が決定する場合

    ※市町村都市計画審議会が置かれていない場合は、都道府県都市計画審議会。

以上の手続きの流れにおいて、頭に入れておいてほしいのは、いずれにせよ市町村、都道府県、都市計画審議会の3つが関係しているということです。

<補足説明>

  • ①都道府県または市町村が都市計画案を作成しようとする場合、必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講じます。
  • ②都道府県または市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめその旨を公告し、その都市計画案を、その公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければなりません。
  • ③公告があったときは、関係市町村の住民および利害関係人は、2週間の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された都市計画の案について、意見書を提出することができます。
  • ④都道府県は関係市町村の意見を聴き、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定します。なお、国の利害に重大な関係がある等一定の場合には、国土交通大臣に協議し、同意を得なければなりません。
  • ⑤市町村は、市町村都市計画審議会の議を経て都市計画を決定します。なお、市町村に市町村都市計画審議会がない場合には、都道府県都市計画審議会の議を経て決定します。
  • ⑥都道府県または市町村が都市計画を決定したときは、その旨を告示します。都市計画は、告示があった日からその効力を生じます。

3. 都市計画の提案

土地所有者、借地権者、一定の法人・団体等(まちづくりの推進を図る活動を行うことを目的とするNPO法人など)は、都道府県や市町村に対し、都市計画の決定・変更について提案することができます。

問題を解いてみよう!

論点の確認と
知識の定着を
  • 【Q1】市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ都道府県知事に協議し、その同意を得なければならない。(H24 問16)
  • 【Q2】都市計画の決定または変更の提案は、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地について所有権または借地権を有している者以外は行うことができない。(H24 問16)

ic_kaisetsuこう考えよう!<解答と解き方>

Answer1
×

【解説】市町村が都市計画を決定する場合、あらかじめ都道府県知事に協議しなければならないが、同意まで得る必要はない。

Answer2
×

【解説】土地の所有権者と借地権者だけでなく、まちづくりNPO法人なども都市計画の決定・変更の提案ができる。


植杉 伸介

植杉 伸介

宅建士・行政書士・マンション管理士、管理業務主任者試験などの講師を30年以上務める。著書に『マンガはじめて建物区分所有法 改訂版』(住宅新報出版)、『ケータイ宅建士 2021』(三省堂)などがあるほか、多くの問題集の作成に携わり、受験勉強のノウハウを提供している。